kindleで毎月やっている月替わりセールタイトルから、創作をされている文字書きに役立ちそうだなと思った本をピックアップしていく記事です。
本記事では10月を対象として紹介しています。
社会人のための読解力トレーニング―――正しく読めれば楽しく読める・理解できる
▼ 社会人のための読解力トレーニング―――正しく読めれば楽しく読める・理解できる
- ASIN:B07PHRTX1J
- 著者:後藤 武士
- 出版社:キニナルブックス
- 発売日: 書籍初版2007/4/10、電子発行2019/3/8
- kindle unlimited対象
「どうして読書は必要なんだろう?」という疑問について答えながら、とはいえ「本を読むことが嫌い、読書が苦手、読解力に自信がない」そんな人は多い。でも、この本を読めば読解力を身につけることが出来る。読解力が身につけば本がすらすら読め、正確に読めるようになる…といった前置きから始まる本書は19回の講義という形式で章立てがされており、巻末には「卒業試験」なんていうタイトル通りの問題が用意されています。
この本はただ読むだけのものではありません。読解力トレーニングという名前の通りに、学習するための参考書とでも考えてください。物事を学ぶにはインプットだけでは身につきません。紹介されているコツやポイントについて知りながら一つ一つ問題を解くというインプットとアウトプットのサイクルを繰り返すことで、読解力を身につけることが出来るようになりますよ。
「読解力」って簡単に言うけど、結局なんなの?という疑問にも答えてくれているので、私は個人的にめちゃくちゃすっきりしました。なるほどなあと思いつつ、書店で立ち読みした別な読解力に関する本で何気なくやった問題がボロッカスな結果に終わったので、本書を読みながらちょっとお勉強をしています。大人になったら読解力が身についているなんて体で話されますけど、大人こそ読解力ないと思うんですよね。「センター試験の現代文が解ける」ことと「読解力がある」ことはイコールでは結ばれないと思っているので、なんとなく思うことがある人はぜひ本書でチャレンジしてみてください。
そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?
- ASIN:B01DDJV4PO
- 著者:深沢 真太郎
- 出版社:日本実業出版社
- 電子版発行日:2015/12/10
“「考えろ」と言われても、正直どうしたらよいかわからない。論理的思考が苦手なせいか、自分の話にいつも説得力がない。考えるのが面倒くさくて、つい直感で物事を決めてしまう。いくら考えても、アイデアが浮かばない。”
出典:そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?
こんな書き出しで始まる本書ですが「論理的に考える」という概念は知っていても実際に出来ているかと言われたら自分では良くわからないという人が圧倒的に多いのではないでしょうか。「考えれば分かるだろ」とか言ってくる年上の人とかも居ますけど、ちゃんと「考えること」が出来ている人って一体どれだけいるんですかね?
引用した書き出しの中で、うわこれ私に当てはまるな……と思ったあなた。あなたは何も悪くありませんと書いてあるので安心してください。これはなんでも言えることですが、教えてくれる人が居なければ知らないのも当然なんですよね。本書の中では「考えること」を教えてくれる人は数学的に考えられる人という前提条件の元に、二人の主人公が会話をするというストーリー形式で進んでいきます。数学的に考えられる人はどんな風に物事を考えているのかという「考えるコツ」を20個ほど紹介してくれているので「考える時に意識したいこと」を学ぶには最適な本ですよ。
ストーリー形式とある通り二人の登場人物の出会いから始まる内容ですが、ノリの良さと明るさを武器に生きてきたOLのサオリが新幹線で隣の席に座っていた大学院生の優斗にグイグイいく所からまず笑ってしまいました。すごい……。物語の性質上、二人は会話をしなきゃ行けないけどこんなにグイグイ行って絶対に引かれるでしょ……と思ってたら優斗も引いていて更に爆笑します。タイトルがタイトルなので堅苦しい文章ばかり書かれていたらどうしよう、とちょっと思っていましたが全然そんなことなかった。「考える」というテーマからずっと逃げてきたサオリは「考えるって何?」と思ってる私自身でもあるし、それを一つ一つ紐解いて教えてくれる優斗の台詞になるほどと感心させられることも多いです。本書には当たり前のことしか書いてないのですが「考える」ということが何かと疑問を持っている私も日常生活で無意識にやっていることだなと実感することが出来るので、非常に分かりやすいと感じました。
で、「論理的に考える」ことがどうして創作に必要なの?と言われたら答えは簡単です。話を作る上で論理的に出来事を組み立てて行かないと読者を納得させることが出来ないからです。私はどうしてその人物がそんな台詞を言ったのか、どうしてそんな行動をしたのか、そういう描写一つにでさえ意味を持たせるべきだと思っているのですが、どんな生き物も考えて生きています。何気ない仕草一つにだって意味はある。そんな細部にまで考えが張り巡らされた話を生み出したいと思った時に論理的に考える、筋道を立てるということは必要不可欠なんですよね。説得力を持たせた文章を書くためには辻褄合わせが絶対に必要になってきます。スタートがあって過程を経て望んだ結末を迎える、そんな話を書くために「論理的に考える」というスキルを養うことであなたが書く文章はもっとレベルアップするのではないでしょうか。
現代思想の教科書 ──世界を考える知の地平15章 (ちくま学芸文庫)
- ASIN:B06X1GSFHF
- 著者:石田英敬
- 出版社:筑摩書房
- 電子版発行日:2010/5/10
私は思想の話が大好きマンだから面白がって読んでるけど、これどうなの?と思いながら挙げている部分もあるのでさらっとにしておきます!難しいんだよな〜〜。単語一つ一つを拾って噛み砕かないといけないから、思想という学問に触れたことがない人は頭痛くなって絶対に読まないと思う。だから必ずサンプルを読んで合うか合わないかを判断してください!一応、本書は「入門書」という位置付けです!
2005年から放送大学で5年間に行われた講義で使われた教材を加筆修正したものということなので、現代思想に関する授業のような形で読み進めることが出来ます。そもそも「現代思想ってなんですか?」という問いから始まり、言語や文化、社会、戦争、宗教、国家なんていう思想という分野では語られるんじゃないかなと思うトピックを章において、私たちがどんな世界を生きているのかを考え、時には批判するための知識が学べます。
お前〜〜〜〜〜〜!!!!!!!なんでこれが創作に必要なんだよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!って言われたらまあ、簡単に言えば、拘った世界観を作り込んだ創作をするためにはね、文化や政治、宗教や戦争、それらをどうして人間はするのかという知識を得る必要があると私は思ってるんです。だから、設定の認知度に任せただけの話じゃない独自の世界観を落とし込んだ話を書きたいとかチャレンジしてみたいと思ってる方は、こういう知識を得るとアイディアがふと沸き起こってくるかなと思ったのでおすすめに挙げてみました。二次創作でももちろん良いですが、いつか一次にチャレンジしてみたいんだよね〜と思っている方はご参考までに。
それと本書のレビューをされてる方はそんなに多くないんですけど、全員がもれなく大絶賛の星5だったので、世の中にはこういう本を読む嗜みを持ってる人がこんなにもいるんだな…とちょっと感動した。
今日から役に立つ! 常識の「漢字力」3200 [日本語力アップシリーズ]
▼ 今日から役に立つ! 常識の「漢字力」3200 [日本語力アップシリーズ]
- ASIN:B01DKHIS4Y
- 編集:西東社編集部
- 出版社:西東社
- 電子版発行日:2016/3/15
- kindle unlimited対象
語彙力を増やしたいと思ってる方は、辞書だけじゃなくてこういう書籍もおすすめなのかなと思いピックアップしました。”大人のための常識の漢字力”が3200語句集められているのでちょっとした辞書代わりとしても良いのではないでしょうか。
「【難読・当て字】読めそうで読めない漢字」「【語源】ユニークなルーツの言葉」などトピックが立てられているのであらゆる語句がピックアップされており、読み物としても面白いです。語彙を増やすことの何が難しいかと言われたら「知らない言葉を知る方法が限られている」ことが最大の問題点なので、読書をせずとも知らない言葉に触れることが出来るという意味では語彙を増やすという目的では最短の方法かと思います。
個人的に良いなと思ったのは「【日本語】古きよき日本語、美しい日本語」という章です。四季や行事、文学といった項目に関する言葉や慣用句を挙げてくれており、読んでいて楽しいです。日本語の表現を学ぶ機会は日常的にあるものではなく、どうやって勉強すれば良いかという部分も難しいかと思いますので語句を学ぶことで表現を豊かにしたいと思っている方にはぜひ読んで欲しいなと思います。
今月のピックアップはこのくらいかな〜と思いますが、140近いタイトルが今月のセール対象商品なのでぜひ覗いてみてくださいね。見てる感じだと30〜60%くらい割引になっているのでめちゃくちゃお得。私はこういうところをあさって本を購入して読んでいますので、ご参考になれば嬉しいです。以下のバナーからどうぞ。
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